働き方

フルリモートで働くということ(1) ~常駐の意味とは~

私は1年前に今の会社に入ってからというもの、以下の働き方を続けている。

・基本的にリモート(自宅)作業
・会社に出社するのは基本的に週に1回。場合によっては0回になったり2回になったりする
・打ち合わせはSkype
・やりとりは全てchatwork

エンジニアという生き物は基本的にPCとWi-Fiがあれば仕事はできる。
できるはずなのだが、なかなかそうもいかない場合が多い。

一方、私が以前常駐をメインに仕事をしていた時の働き方は

・基本的に常駐先(自社orお客さんorお客さんのお客さん)で作業
・毎日出社、リリース時は休日も出社
・9時に満員電車に揺られて出社。忙しくない時は10時
・打ち合わせは全て対面、やりとりはメールがメイン。スピードが必要な時は電話

こんな感じだった。
実際、日本のエンジニアの多くは同じような働き方をしていると思う。

私は常々疑問だった。

「なんでPCさえあれば仕事ができるのにわざわざ会社に行かなきゃいけないのか」

それに対するお偉方の答えは決まっていつも一緒だった。

「セキュリティの問題があるから」
「出社してもらわないと、労務管理が大変だから」

セキュリティの問題は、特にSI関係ではお客さん/案件ごとに専用のPCやネットワークが用意され、それを使って仕事をする時がよくある。そういったときは大抵、ソースコードもそのPCから出せないし、外から繋いで触ることもできない。

だから結局朝早くに満員電車に揺られ出社し、誰とも喋ることもなく黙々とPCで作業をして、一人でもそもそと昼食を食べて(たまに仲良くもない常駐仲間と一緒に無言で昼食を食べて)、また黙々と作業をして、そして夜遅くに1時間前後かけて帰宅するのである。

この生活を繰り返す理由が、もし本当に「セキュリティ」と「労務管理」なのだとすれば、極めてクレイジーだ。

ネットワークセキュリティを本当に気にするならば、VPNや暗号化や運用ルールをきちんと整備すればいいだけだし、労務管理にいたっては「出社=働いている」という概念からそもそも間違っていると言いたい。労務関連の制度設計が難しいのは百も承知だが、それを言い訳に働き方を変えないのは本末転倒だ。
(ドナドナされて常駐しているエンジニアなどは、そもそも請負元から労務管理される時点で違法なわけだが、まあそれは別の話)

実際、私はフルリモートで働くようになって
・労働時間が減った
・生産性が明らかに上がった
・無駄な打ち合わせが消えた
・技術を学習する時間が増えた
・何よりストレスが減った(→会社を辞めたいと思わない)
ここら辺の変化は如実に出た。
もちろん、会社が変わったからとか取り扱う案件が変わったからとかそういうのはあるが、これらは働き方が変化したことの影響が大きいのは事実である。

満員電車に揺られ会社に毎日毎日出社して汗をかくことに慣れきってしまった世代の方々にはどうしても非現実的な話としてしか受け止められないのかもしれないが、「リモートで働くことができるか」というのはもはやエンジニアにとって、会社選択の重要なインセンティブになって来ているのである。

次回は、もう少し具体的に「フルリモートで働くとことのメリット・デメリット」を書いていきたい。

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